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知多半島の生産者紹介

旅のレポート

知多半島には魅力的な食資源がたくさんあります。
この秋、この食資源を活用して、メニュー開発に活かしていただくお店を対象に“生産現場見学会“を実施しました。
今回は、米農家、醸造メーカー、水産加工会社、漁協、知多和牛、有機野菜の6社です。
各生産者のこだわりポイントなど紹介していきます。

1.株式会社NAORICE(ナオライス)

半田市有脇エリアを中心に、有機、減農薬、完全無農薬の米の栽培に取り組んでいる若手米農家です。【人にも環境にも優しいお米作り】を基本理念に、半田の農業を守っていくために活動されています。高齢化が進む農業界を盛り上げるため、SNS(TikTok/フォロワー数2.1万人やInstagram/フォロワー数3.5万人 2022年10月現在)で若者ならではの視点で農業の楽しさや面白さ、難しさも前向きに情報発信する姿が人気です。

商品の特徴・こだわり

農薬の使用量などを「農薬節減栽培」栽培期間中は、農薬使用数を地域慣行レベルの半分以下に抑えて栽培、「完全無農薬栽培」栽培期間中においては農薬、化学肥料を一切使わず、有機JAS認定のとれた有機肥料と堆肥の力で栽培するなどこだわりを持った商品づくりを行っている。
栽培品種はコシヒカリ、アキタコマチ、アイチのかおり、ミルキークイーン、ニコマル、ヒトメボレなど8種類ほどと飼料米。

商品の購入場所・お問い合わせ先など

HP(EC)、SNS(DM)で直接購入可。
お値打ちな購入方法は年間契約。お米チケットにてその都度必要量と交換するシステム。契約キロ数に応じて割引があります。

担当者:株式会社NAORICE(ナオライス)近藤

レポート

見学会では、米の劣化をを最小限に抑えるため、年間通して玄米を低温保存するなどの工夫を伺ったり、見学会ではミニかまどで炊いた米と炊飯器で炊いた米の食べ比べを行い、新米のおいしさを味わっていただきました。

2.中利株式会社(ナカリ)

明治29(1896)年創業の豆味噌・たまりを製造する醸造メーカーです。
“よりおいしく安全なみそ・しょうゆが安全供給できる環境”を目指し、1998年の工場建て替えを機に自動化。
豆味噌・たまりの製造工程は原材料(大豆)投入→麹付け→発酵→醸造(1年)で、このうち最も重要な麹付けでは温度や湿度、時間を細かくプログラミングされ、中利に100年伝わる職人の技と、最新の発酵に関する研究成果が反映されています。

商品の特徴・こだわり

10月1日全国醬油品評会にて優秀賞を受賞した非加熱の「生たまり」はもろみを絞っただけという素材をストレートに感じられるシンプルでフレッシュな味わい。品質管理が難しく一部のお客様にのみ販売されていた製品を商品化したもので、調理の際初めて加熱することで旨味と香りの立ち方に違いが出ると評判が上がっている。

商品の購入場所・お問い合わせ先など

業務用は、申し込みフォームよりお問い合わせください。
小売りはHP(EC)、工場内事務所の販売コーナーで直接購入可。

担当者:中利株式会社 小栗

販売コーナー 愛知県半田市協和町1-31 TEL 0569-21-0912

レポート

現在は伝統的な技法を伝承するために自動化した製造ラインになっている工場などを見学しました。また、10月1日全国醬油品評会にて優秀賞を受賞した「生たまり」と伝統の味「百年の技」のテイスティングを行いました。

3.岬水産株式会社(岬だより)

片名漁港にほど近い247号線沿いにある水産加工販売会社です。地元で水揚げされた魚貝類を全国の中央卸売市場に卸しています。鮮度と目利きに定評があり、貝類の取り扱いはトップクラス。干物、貝類など無添加の商品や生のものがいつでも鮮度のいい状態を保てるよう、ドリップを最小限に抑えられる特殊技術を用いた冷凍システムで保存しています。また、保存料着色料などを一切使わず手作りにこだわっています。

商品の特徴・こだわり

人気商品のイワシ丸干しは獲れたその日に専用干し場でそのまま天日干しします。脂のノリもよく、干すことで余分な水分が抜けてうまみが増します。
また、むき身のアサリなど貝を丁寧に串に通して、天日干しで仕上げた貝の干物もこだわりの品。中でも「串とり貝」は岬だより考案のヒット商品です。

商品の購入場所・お問い合わせ先など

自社ECサイト(クール便にて発送)または、直売所にて販売。

担当者:岬水産株式会社 濱本

販売コーナー 愛知県知多郡南知多町片名黒地16−2 TEL 0569-63-2122

レポート

人気商品の干物の説明を受け実際に試食をしたり、鮮魚の加工サービスの現場を見学しました。徒歩5分の片名漁港の夕市のセリも見学しました。

4.鬼崎漁業協同組合

鬼崎漁協では年間9000万~1億枚の海苔を生産しています。愛知県産海苔量の1/3にあたります。昭和48年には166軒の漁師が8000万枚の水揚げがありました、現在は40件になりました。しかし、養殖技術力向上と全自動海苔乾燥機導入により、少ない人数でも安定した生産ができるように環境が整っています。

商品の特徴・こだわり

1番摘みは、口の中でとけるような柔らかさで、甘み、香りがあり、美しい黒色をしています。2番摘みは、適度なハリ、香ばしさ、適度な塩味があります。

板海苔や開封後の海苔はあらかじめ温めたオーブントースターの庫内で、さっと焼くと焼き立ての香ばしさが出ます。

商品の購入場所・お問い合わせ先など

鬼崎のり(焼きのり、味付のり)は、漁協内での店頭販売のみ。
業務用の場合は、海苔問屋様のご紹介も可能。

担当者:鬼崎漁業協同組合 平野

販売コーナー 愛知県常滑市蒲池町3-97 TEL:0569-42-0241

レポート

漁港としては9割が海苔、残り1割が魚介で日本一小さい朝市(おそらく)が開かれています。知多半島全域同様鬼崎エリアもアサリの名産地でしたが近年アサリの収穫高は激減。収穫した魚介は漁港の知名度が低いため販売に苦労している面もあり、令和元年にまずは地元の人に獲れたての地魚のおいしさを知ってもらえるよう漁師による直接販売「鬼崎漁港朝市」を開催、知名度向上と産地の魅力を伝える工夫をしています。

5.小栗牧場

創業80年、現在黒毛和種約1000頭を肥育している牧場です。
長年培った観察力と独自の肥育技術により高品質の和牛肥育に成功しました。日本一レベルの高い神戸市場にて上位ランクに位置。愛知県知事賞、国内の品評会で受賞歴があります。

商品の特徴・こだわり

牛舎は牛がゆったりと過ごせるよう肥育エリア1区切りを広めに設定。
子牛から育てることできめ細やかな肥育管理に繋がっています。
地元の搾りかす(中利たまりの搾りかすなど)や給食センターとの連携で調理の際に出る調理端を活用して新鮮な食材を提供。環境循環にも取り組んでいます。

商品の購入場所・お問い合わせ先など

小売りは、平山ショップへお問い合わせください。

担当者:小栗牧場 小栗

平山ショップ 愛知県知多郡南知多町内海亥新田8-7 TEL:0569-62-0059

レポート

種付けから、出産、子牛の飼育、肥育までを一貫して牧場内で行えるので、順を追って牛舎内を見学しました。15時半頃から出荷のタイミングに立ち会い肥育完了した大きな牛と対面。みんなで見送りました。
精肉販売、ハンバーグなど加工のリクエストについては、平山ショップにて相談可能です。

6.知多の恵みグループ

「知多の恵みグループ」は半田、武豊、美浜、常滑、南知多町の農家で構成する農家グループです。有機肥料&農薬不使用の野菜、特別栽培米を育てています。目指す姿は有機で高品質、多収です。

知多半島を有機農業の一大産地に

平成30年度オーガニック・エコ農産物安定供給体制構築事業のうちオーガニックビジネス実践拠点づくり事業に平成30年から本年度まで参画しています。
栽培研修会も積極的に開催して、栽培技術の習得、情報の共有を行っています。

商品の特徴・こだわり

知多の恵みグループは畑での生育中、化学合成農薬と化成肥料を使用せず、有機JAS認証にて許されたもののみを使用して野菜を栽培しています。
単純に農薬・化成肥料を使わないというわけではなく、前出のBLOF理論に基づき、土壌成分の分析と、育てる野菜に必要な栄養分を把握した上で土作りを行い、味も良く、栄養価も高い、形も良い野菜作りを、グループ内で知識・技術を共有して取り組んでいます。
地域の資材を有効活用しながら、美味しさと安全性、経済性を兼ね備えた、「続けられる農業」を目指し、日々精進していきます。

商品の購入場所・お問い合わせ先など

主な出荷先は「生協連合会アイチョイス」(化学肥料や農薬を抑えたもの、使わないものだけを扱う生協通販サイト。生産者と直接契約し、共にオーガニック&無農薬を積極的に推進)で、生産品目を絞り込んで高品質、大量な受注に対応できるように工夫しています。グループ代表や農園のSNSで販売情報(通販、マルシェ)や畑の様子を配信しています。

直売所:ジョイフルファーム鵜の池 
    住所:美浜町上野間中新田10 TEL: 0569-87-6080
    風の村
住所:武豊町東長宗97−1 TEL:  090-6643-0723
                            ほか

レポート

今回は2件の農家を見学しました。半田市のあおき農園では、有機栽培で地元の牛ふん堆肥や納豆菌を使って病気や虫に負けない土づくりに取り組んでいるとのこと。得意はもぎたての桃のような味わいのカブ。主力栽培品種はカブ、ニンニク(生)、ピーマン。野菜のもつみずみずしさを味わってほしい、と主力品種は”生食がおいしい”作物を栽培しているそうです。
武豊町の農園ベジーネは、無農薬、有機でもキレイで美味い野菜を安定的にと、BLOF理論(植物生理)を参考に栽培中で、冬期のブロッコリー、ニンジン、夏期は天狗ナス、キュウリに力を入れているそうです。

生産現場見学会について 

生産現場見学会は、半田市内の飲食店の経営者やシェフの方々が、醸造メーカーをはじめとした知多半島の特徴のある食の生産現場を訪れ、生産者のこだわりに直接触れていただき、その後の各店が地元の食文化・食材を活かしたメニュの一助になることを目的としています。